「こないだ、お友達が亡くなって、その後どうやら子供たちが揉めているみたい。
私もぼちぼち終活しなくては。
でも、でも、どうしても、遺言書へのハードルが高い。」
わかります、手紙だってなかなか書くのが億劫なのに、遺言書なんてもっともっと億劫です。
そんなあなたにおススメの簡単手軽な遺言書があります。
もっとも手軽な遺言⇒包括遺言(ほうかつゆいごん)
「包括遺言」初めて聞く方も多いのでは?
包括遺言とは、具体的に「何を誰に上げる」というものでなく、「割合だけ」を記す遺言です。
例えば「財産の半分は長女、残りは次女に」というような、おおざっくりなものでかまわないのです。
この方法だと、財産の洗い出しまでしなくても、遺志が伝わります。
「包括遺言」コツ
1.「無効」になることを恐れない
「遺言書って、いろいろ書式とかあって難しそう・・・。」
確かに、正式な遺言書には多くの必要な要件があります。
手書きの遺言書、確かに必要な要件を満たしていなくて、無効になることもあります。
でも、安心してください。
今回あげた「包括遺言」は、日付と署名と印鑑さえ押していれば「遺言書」として機能します。
もしもオフィシャルで「無効」でも、プライベートで「有効」なことがまず大事です。
プライベートで「有効」とは、どういう意味でしょう?
家族に伝わるということです。
2.故人の遺志がわかることが大事
どういうことか?
子供たちにもそれぞれの生活があり、もらえるものはもらいたいと思います。
血のつながった兄弟姉妹であれば、遠慮がなくなるのです。
「お兄ちゃんだけずるい」
「いつもお母さんは、おねえちゃんっばっかりひいきした」
相続をきっかけに、子供のころの遺恨がむき出しになることも珍しくありません。
その欲の皮を抑えるのが、遺言書です。
死人に口なし。
細かく財産を洗い出して、誰にどれを分配すると明記しなくても、
「誰にどれくらい」という割合を示していれば、もらうものを本人たちの話し合いでほしいものをもらうこともできるのです。
3.付言をつけましょう
どういう思いで、その配分をしたのか?
その気持ちを記すのが「付言」です。
家族へのラストメッセージのようなものです。
開封されるときに自分はもういないので、恥ずかしがらずに思いを伝えましょう。
4.見つけてもらうようにする
利害関係ある人だったら「害のある人」に渡してはいけません。
なぜか?
闇に葬られる可能性があるからです。
例えば、バツイチ(このときは子供はいなかった)で後妻の間のみ子供がいる旦那さんの場合。
旦那さんは、昔の奥さんにも少し遺産を分けたいと思って遺言を書きました。
でも、その遺言を後妻の子供に託したらどうなるでしょう?
昔の奥さんに、気持ちよく遺産を分けられる子供は、なかなかいません。
少なくとも、法定相続人である自分たちの分け前は減るのです。
その遺言の存在を他の人が知らなければ「なかったこと」にもできるのです。
その例は極端ですが、一番自分の身近で、遺言を執行してくれる人に託すことが大事です。
実はこれが一里塚
この一段階を経るだけでも、次へのステップがとても楽になるのです。
次のステップとは、財産の洗い出し、具体的な配分、相続税対策などです。
上記のように、相続はやることがいっぱいと思うので、なかなか腰が上がらないのです。
「はじめの1歩」が、なかなか踏み出せないのです。
でも、「はじめの1歩」が楽に踏み出せれば、その次の2歩3歩を踏み出すことが簡単になります。
はじめの一歩を楽にするための方法が「包括遺言」です。
心配事を一つでも減らすために、はじめの一歩である包括遺言から手をつけてみませんか?