更新日2016/02/10 この記事は約 3 分で読めます。

【あなたの両親の実家はどのように相続で分ける?】出戻り姉と弟夫婦の遺産分けトラブル

弟と姉

あなたは何人兄弟ですか?
一人っ子ですか?

世の中を見回してみると、何人兄弟が多いでしょうか?

これから相続に関係ある世代が子供だった1977年の調査を見ると、
子供のいない世帯がが3%、一人っ子が11%、2人兄弟が27.0%、3人兄弟が23.8%と、4人以上が5.1%と
圧倒的に「2人兄弟」が多数なのです。

これからの話は、そんな「2人兄弟」の話です。

【兄弟構成】
お姉さんと弟

【相続時の状況】
・お父さんは5年前に他界
・お姉さん(子供なし)は、離婚して出戻り、お母さんと実家で二人暮らしていました。
・弟は、サラリーマンで奥さんと子供2人がいますが、教育費がかさむ時期で経済的にカツカツです。

【相続財産】
実家   2000万円相当
親の貯金 500万円

合計2500万円

姉「お金は全部あげるから、家だけはそのまま住まわしてほしい」
姉
弟「いくら現金がもらえるからって、お姉さんだけ多くもらってずるい」
弟
それぞれの生活を守るために、それぞれの希望があるのはやむを得ません。

この場合のできる方法3つ(配分の方法)

現物分割

あるものをお姉さんと弟で分けるという方法です。
この場合は、実家と貯金を二人で分けるということになります。

この中に、実家を半分こ、つまり、共有名義にするという方法もありますが、単なる問題の先送りなので決着をつけた方が懸命です。

代償分割

相続の差額を現金払いする方法です。
このケースの場合は、お姉さんが弟に自腹で総額の半分
2500万円(遺産総額)÷2=1250万円(法定相続分)
1250万円-500万円(弟が現金でもらう分)=750万円を
弟さんに払うということです。

でもそんな大金、おいそれとは出せませんよね。
なかなか難しいのが現実です。

換価分割

全て換金してお金で分けるという方法です。
これが一番すっきりするやり方です。
しかし、希望通りにすぐに不動産が売れるとは限りません。
まだ、不動産屋によって値付けが違ったりすることもしばしば。
何よりも、実家へ引き続きすむことを希望していたお姉さんの願いはかなわなくなります。

やっておけばよかった方法

生命保険

生命保険
生命保険は法律上、相続財産ではないのです。
なので、お姉さんを生命保険の受取人にして、そのお金で弟に「代償分割」に充てるようにしておけばいいのです。

また、弟を生命保険金の受取人にして公平になるようにする方法もあります。
この場合、750万円相当の保険金の受取人を弟さんにしておけば、公平にすることができます。

ベストだった方法

本当は、親が生きている間に話し合っておけば、こじれる話ではなったのです。
なぜなら、生命保険金が法律上の相続財産でなくても、感覚的には「親の遺産の一部」だからです。

姉に生命保険金が支払われれば、「お姉さんには、家がある上に生命保険金かよ!」と弟は感じるかもしれません。

弟を保険金の受取人にしてあっても「これは相続には関係ないお金だ!法定相続分をくれ!」と新たに遺産分配を要求してくることもあり得ます。

遺言があれば

遺言
でも、この2人兄弟、姉と弟、よく頭を冷やして考えてもらいたいのです。

「遺産」は、あくまで「親の財産」です。

自分の財産をどう子供たちに分け与えようが原則は自由です。

そこに「親の遺志」という思いやりが伝われば
相続人間のトラブルも回避できることも多いのです。

そのままの土地家屋の状態で欲しい人

売ってお金で分けたい人

どの場合も「誰が悪い」ということではなく
相続人のそれぞれに事情を考える余裕が必要です。