熟年離婚・・・夫婦で子供を育て上げて、責任を全うして、自分の余生を楽しむための離婚であるはずです。
その中で気の合う相手が見かり、再婚までということになれば、結婚する本人たちは余生を楽しく過ごせます。
でも、ちょっと待ってください。
実は子供たちが納得しないケースが案外多いのです。
どうしてでしょうか?
子供の立場になってみましょう。
子供達にとって、お父さんとお母さんは自分たちの「育ての親」。
いくら独立しているからといっても、急に親が惚れた腫れたで結婚したいと言われても腑に落ちないのは
致し方ないことです。
さらに相続権まで持っていかれたら、面白いはずがありません。
「相続まで持って行かれる?!一体どういうこと?」
相続再婚と相続のポイント
からくりはこうです。
相続時に、自分の分け前が減るからです。
家族の歴史を知らない第三者である再婚相手がひょこっと現れて、相続だけ一人前に持って行かれていい気のする家族はいない筈です。
前向きな再婚のためにできること
子供達にも納得してもらえる材料を出すことが大事です。
「どうすればいいの?」
子供が不利にならない内容にするのです。
子供達の権利を守る方法として財産放棄してもらうとか?
財産目的でないことがわかると思うから。
では、財産放棄を相手にしてもらいましょう。
ところが。。。
再婚相手に相続放棄の要求は出来る?
結論から言うと、できません。
生きているうちに相続放棄はできないからです。
子供たちに再婚を認めてもらうために相続放棄の旨の一筆を書いたとしても、「生きているうちに相続放棄ができない」という理由で、これは無効になり、法律上の拘束力は持たないのです。
ではいったい、どうしたらいいのでしょう?
1.子供たちへの生前贈与を増やす
お金で決着をつけるではありませんが、再婚相手に取られるのではないか?という疑念を払拭できます。
2.遺留分放棄をしてもらう
相続放棄と違い、遺留分放棄は生きている間でもできます。
遺留分とは、民法で認められている最低限の相続分のことです。
それに関しては生きているうちに放棄できるのです。
3.子供も再婚相手も納得する遺言書を作る
何のために再婚するのでしょう?
余生を楽しむためです。
余生を楽しむのに、再婚相手との関係さえよければ、余生は楽しいのでしょうか?
別れただんな、もしくは奥さんはともかく、子供たちとのいい関係は保ちたいはずです。
離婚しても、親と子であることには変わりないのです。
だったら、子供とも良好な関係を気づいておいたほうがもっと余生が楽しくなるのでは?
確かに、再婚相手と子供たちとがひざを交えて話をすることは、賭けです。
うまくいくケースもあるかもしれませんが、決裂してしまったら子供との関係はギクシャク、もしくは壊れてしまうリスクをはらんでいます。
悪いほうに転がるかもしれない話は、先延ばしにしたいのが人情です。
でも、解決していればこれほど身軽なことはありません。
再婚しようがしまいが必ずやってくる相続のことを決めていれば、気楽です。
三方良しで収めるために、ここはひとつひと頑張りしてみませんか?
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