相続する財産といえば、あなたはどんなものを思い浮かべますか?
「現金、不動産、その他に借金というマイナスの遺産あるな・・・」
一般的にはそのようなものがあげられます。
ところが、人一人が生きているうちに得た財産には、「わかりずらいもの」「目に見えないもの」もあるのです。
どういったものなのか?
具体的に見てみましょう。
ゴルフ会員権
ゴルフ会員権は、預託会員制(ゴルフ場を新設する際に資金集めのため、一定の金額を預けた人に与える会員権)のものが一般的です。
会員規約で「会員の死亡により資格を失う」とある場合、相続できません。
会員規約上、相続が認められているときは、相続人は入会することを条件として、ゴルフクラブの会員となれます。
「会員規約にどうかいてあるか?」がポイントになります。
著作権
亡くなった方が作家さんだったりする場合がこれにあたります。
これも相続できるのです。
著作物の著作権は、取得するための手続きをしません。
なので、著作権を相続しても、著作権の移転手続きは不要です。
「誰が、著作権を相続するのか?」を相続人同士で決めればOKです。
ですが、口約束だけでは後になってトラブルが起こることもあります。
「遺産分割協議書」に入れておくことをおススメします。
もし、権利を分割するという場合は、著作権の移転手続き(著作権・著作作隣接権の移転等の登録)が必要です。
この手続きは、文化庁に申請します。
ただし、著作権は著作者の死後50年目に消滅します。
延長もできますが、手続きは弁護士にお願いするのが望ましいです。
特許権
亡くなった方が技術者や、工業製品等の会社経営をしている場合、「特許」や「実用新案」などの工業所有権を持っているケースがあります。
その「工業所有権」も「著作権」と同じように相続できます。
移転手続きは不要ですが、工業所有権を相続した旨を、特許庁長官に届け出ることが必要です。
ちなみに、「出願の手続きの最中」や「これから出願する」という場合でも相続できます。
ただし、権利には期限があります。
特許権の場合、出願の日から20年、実用新案権の場合は出願の日から10年です。
扶養請求権
扶養を求める権利は、相続の対象とはなりません。
でも、既に具体的な扶養料請求権として確定しているもので、かつ、支払期限の過ぎているものは、相続できます。
「扶養請求権」とは何でしょう?
「自分の力で努力しても生きて行けなくなった時に、扶養してもらう権利」です。
財産分与請求権
結婚している間は、2人で財産を築いていきますが、離婚するときに財産を話し合いにより分ける=「財産分与」をすることになります。
亡くなった方(被相続人)が離婚している場合は、要注意です。
とはいっても、すべてが相続の対象になるわけではありません。
相続の対象は、下記のものになります。
●慰謝料的要素部分
ただし、注意点があります。
●離婚して、財産分与を請求する前に死亡した場合は、残念ながら相続の対象とはなりません。
財産分与を請求する相手が、再婚している場合などはトラブルになりやすいのです。
ああ、なるほどと思ったものがあるのでは
どうしても見えるものだけに目が行ってしまいがちな「相続」。
ところが、それだけでないことが分かりました。
「自分の場合、親の場合はどうなんだろう?」
転ばぬ先の杖、頭に入れておくことが大事です。