更新日2015/07/31 この記事は約 3 分で読めます。

一番手軽な遺言書「自筆証書遺言」の書き方

手書きの遺言書

あなたが亡くなった後、あなたが持っていたものを遺された人たちにどう配分したいですか?
あなたの遺志を伝えるための公的な書類が「遺言書」です。

「聞いたことはあるけど、どうやって書いたらいいのかわからない・・」
その方法を探っていきましょう。

遺言書の種類は3つあります

  1. 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
  2. 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
  3. 秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)

今回は「自分で書ける」自筆証書遺言について、正しい書き方についてご説明します。

自筆証書遺言の書き方とは?!

自筆証書遺言のポイントは日付、名前、内容などをすべて自筆で書いていることです。

長所

自身で単独で作成ができること
費用がかからないこと

短所

要式の不備は無効になること
偽造や変造、隠匿の危険性があること

また家庭裁判所の検認が必要となります。

正式な遺言書の書き方の例

万年筆

1.まずは宣言をします

「この遺言書により次のとおり遺言する」と書き出します。

2.資産を計上する

不動産があれば、土地と建物の所在地、家屋番号、構造や床面積などわかる情報は全て書き込みます。

次は、金銭資産の計上です。
ここでは銀行名や支店名、口座番号が必要となります。

不動産や金銭以外に資産があれば、それも計上します。
ここでは必ず各項目の頭に「被相続人は誰にこの資産を遺言する」を明記しなければならないです。

3.債務などの負債を計上する

借入金の銀行名や金額、借入日と期限をしっかり明記します。
そして、この債務を誰が負担するのか?を明記します。

4.遺言執行者の指定

遺言の執行者として「誰を」指定するのかを決めます。

5.遺言の最後は「付言」で締めくくります

「付言」とは一体なんでしょうか?
被相続人の存在時の時の感謝、つまりあなたから遺された家族への「ありがとう」を述べる部分です。
人生最後のお願いなどです。
例えば「相続争いなどしないよう」「一同の幸せを祈ります」などと締めくくります。

6.日付と自分の名前と押印

遺言書は、最新のものが有効になるので、日付は必須事項です。
そして、サインとはんこを押して、やっと完成です。

自筆証書遺言で気をつけること

ハンコ突く

不動産については相続人や受遺者を特定するかが大事です

相続が実際に始まって、不動産の名義変更手続をするときに、「誰に相続するか?」を正確に特定をしておかないと、争いの元になります。

あなたの持っているもの、全て書きましたか?

「財産の記載もれがないか?」のチェックが必要です。
書き忘れたら、どうなるのでしょう?
遺言書に記載されていない財産は「遺産分割協議の」対象になってしまい、あなたの遺志は反映されません。

すべての財産の把握が必要です。

あなたとの関係を必ず明示することが必要

例えば遺言者の妻、名前、そして生年月日も書きます。
また、相続させるのか?遺贈するのか?などを、はっきりとした表現で書くことが大事です。

子どもや孫への最期の手紙「遺言書」

子どもや孫

自分で書ける分、簡単かと思いきや、漏れやミスがあると無効になってしまいます。
ぜひ書くときは、専門家などの力を借りて作成することをオススメします。

遺言は、相続においては大きな決定力を生みます。
あなたの一言次第で残された遺族が「争族」になる可能性があります。

準備しておくに越したことはないです。
遺される家族のために、ぜひ一度挑戦してみましょう。