二世帯住宅でのメリットとして挙げるなら、別々に家を建てるよりも、建築費を抑えることが出来ることがまずあります。
それともう一つのメリットとしては、同居する子どもが相続する場合に、相続税の優遇が受けられるという点。
ですが、問題となるのが「名義」なんですね。
二世帯住宅の名義について
二世帯住宅で多いのは、親の土地に二世帯住宅を建てるというケースです。
この時は、土地は親名義で、家は共有名義にしているパータンが多いです。
家 ⇒ 子ども名義
というパターンはあまりありませんし、出来ない可能性があるのです。
それはどうしてか?
家の名義は出資比率によって行うからです。
圧倒的に親が出資しているパターンが多いという訳ですね。
では、半分ずつ費用を負担して、子ども名義にしようとすると、どんな問題があるのでしょう?
親が支出した分が「贈与」と見なされて、贈与税が発生してしまうのです。
共有名義での問題点
先にも書きましたが、出資比率に応じて共有名義にすれば問題ないと思われます。
ですが、ここで問題となるのは、他の相続人がそれに納得しているか?という点です。
相続税の優遇
同居する家族が親の土地を相続した場合、相続税の評価額を8割に減少出来る制度があります。
それが、「小規模宅地の特例」です。
ですが、子どもが何人かいる場合は、子どもの一人が親と同居すると、残りの兄弟姉妹は、この小規模宅地の特例を受けられなくなるという問題点があるのです。
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ケース1
母親はすでに他界。
父親と長男家族が同居している。
子どもは長男、次男、妹がいる。
父親が亡くなりました。
となった時に、長男は父親と同居していること、相続税の特例があることを主張して、土地と家を受け継ごうとします。
一方、次男と妹も父親の残した家は実家に当たるので、土地と家の権利を主張しました。
この場合、3人で共有名義にすることは出来ますが、長男は次男、妹家族のこともあるので、土地と家の名義は長男だけにしたいと思っています。
この場合の解決策はあるのでしょうか?
この場合は、長男が土地と家を相続。
次男、妹は現金で相続する。
という解決策があるのですが、実際問題、その現金がない場合もあります。
そうすると、土地と家を売却して3人で分けるしかなくなります。
ですが、二世帯住宅は売却されにくく、更地にするにしても解体費用がかかって、不動産価値としては下がってしまいます。
ですから、売却するというのは、最後の手段にしたいところです。
トラブル回避方法
長男、次男、妹の間でトラブルにならないようにするには、初めから長男名義にしておくことです。
そうすれば、住宅資金贈与の特例を受けることができます。
良質な住宅の場合、29年時点では1.200万円までが親からの贈与としても非課税になるのです。
贈与の対象は、
・住宅購入
・増改築費用
です。
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まとめ
親と同居することは、親が亡くなった後のことも考えて、覚悟をしなければなりません。
名義に関しては、二世帯住宅を建てる時に、兄弟姉妹間に納得してもらうことが必要です。