更新日2017/06/30 この記事は約 4 分で読めます。

使わんにゃソン!知らなきゃソン!「相続時精算課税制度」を賢く使う方法!

孫

「贈与税」は「相続税」よりも税率が高いことはご存知ですか?

確かに、「贈与税」の税金が安ければ親が生きているうちに全部あげたくなっちゃいます。

でも、そうは言ってられない国のお財布事情があり、政府は方向転換しました。

60~70代の持っている資産を若年層に移転させて、国内での出費をして経済を潤してほしいということがひとつ。

また、大赤字の日本には、一刻も早く税収を上げることが先決。
10~20年先の相続税より、今の贈与税がほしいのが二つ目。

という火急の事情で「贈与税を割引するから、収めて!」というのが「相続時精算課税制度」です。

そもそもの税金の違いわかる?「所得税」と「相続税」

「所得税」について

人は会社で働いてお給料をもらいます。

個人事業主であれば、個人事業主として収入が入ります。

こうして得たお金には当然「所得税」がかかります。

「相続税」について

税引後のお金は、生活費であったり、趣味や娯楽に使って、残ったお金が「相続財産」になります。

つまり「使わないで貯まっていったお金」に、「相続税」をかけている訳です。

相続時精算課税制度

相続税

今までは「子どもは税金を支払ってから、残った財産を相続すればいい」といったスタンスでした。

ところが、国と税務署は大きく考えを変えました。

子どもに財産を贈与することを前提にした、「相続時精算課税制度」というのを作ったのです。

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方程式

贈与した時の財産の価格の累計 - 2.500万円 × 20% = 贈与税

例えてみましょう。

4年間で一年毎に1.000万円ずつ子どもに贈与した場合は、1年目、2年目は2.500万円以下なので、贈与税はかかりません。

3年目は、 3.000万円 - 2.500万円 = 100万円
100万円の贈与税を子どもは支払います。

4年目は、1.000万円 × 20% = 200万円

これが、子どもが支払うべき贈与税となります。

この制度を使えば、贈与税は最高20%に変わります。

だからこそ、生前に子どもへ財産を贈与することをお勧めしているのです。

税率に関して

たくさんの相続財産を貰えば、当然税率は高くなります。

最低が10%。
段階的に上がり、最高は50%です。

例に出したように、20%で済むなら、30%以上税金がかかる人は、全て、生前贈与すれば損しない、ということになりますよね。

ここで考えたのが、相続税は相続が発生した時に、贈与が無かったものとして計算する方法です。

計算した相続税から、すでに支払った贈与税を差し引いたら、本来払うべき相続税を決めていく。

つまり、最後に贈与税を精算するという方法です。

相続時精算課税制度のメリット

相続税

相続が発生する5年後に、1億円の土地を贈与するとしたら、

(1億円 - 2.500万円) × 20% = 1.500円

と計算して、1.500万円の税金がかかります。

相続税を計算する5年後には、もしかして土地が2億円に上がっている可能性もありますよね。

普通なら相続が発生した時点の2億円で計算しなければなりません。

ですが、相続時精算課税制度を利用していれば、贈与する時点の1億円で計算することが出来るんです。

嬉しい例ですが、反対の場合だってあります。

5年後に1億円の土地が5.000万円に下がっている可能性だってあります。

それでも、土地は1億円の評価ですから、1.500万円の増税となります。

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未公開会社の株式

では、「将来、絶対的に価値が上がる財産しか贈与できないのでは?」
「そんな保証のあるものは存在する?」
と思いませんか?

それがたった一つだけあるんです。

それが、「未公開会社」の株式です。

「未公開会社」の株式の価値は、意図的に変動させることが出来るからです。

株式を子供に贈与した場合

「未公開会社」の株式という財産を、合法的に子どもに移転できる方法です。

更に、社長のお給料を減らして、株主になった子どもに配当するということも出来ちゃうんです。

つまり、「贈与税」も「相続税」もゼロで、お金だけは子どもに移るということです。

将来価値が上がる未公開会社の株主は、子どもに生前贈与すべきなのが、お解りいただけたと思います。

まとめ

これらのように、「相続時精算課税制度」であったり、未公開会社の株式であったり、相続のカタチは変わってきました。

嫌らしいようですが、これらの制度を上手く利用して、賢く相続したいものですね。