お父さんが亡くなったけど「負債のほうが多いので相続放棄をしなくてはならない」ということが薄々わかっている場合、
「どうやら、勝手に遺産や、残された物を使うのはマズいらしい・・・」ということはちょっと調べればわかります。
とはいえ「コレはどうなんだろう?」「アレくらいは使っていもいいんだろう」と、自分の都合のいいように思ってしまうのが人情です。
でも「脱税とみなされて、追徴課税されても嫌だし・・」と知識がないと、どうしても揺れ動きます。
「差し当たってどうするか?」ということばかりです。
そこで、今回は、弁護士さんが一番聞かれる質問3つを取り上げてみました。
1.遺品処分は進めていいの?
⇒△慎重にやったほうがいい
「単純承認」とは、お父さんの権利義務、プラスの遺産もマイナスの遺産も一切合切受け入れる相続方法です。
「売却」は、売れる価値があるのですから、明らか意図的に「処分」したとみなされるので「単純承認」になってしまいます。
お父さんの家のゴミを捨てるのは許されます。
なぜかというと、「財産」ではないからです。
「ゴミなのか?財産なのか?」
線引がとても難しいので、裁判例もいろいろありますので、弁護士さんに相談してリクスを考えながら進めることをオススメします。
2.葬式代は、遺産から出していいのか?
⇒NO
「相続放棄するって言ったって、本人の葬式代くらい本人の遺産から出したっていいだろう?」
そう思います、誰しもそう思います。
でも、残念ながらそうはいかないのです。
お父さんの預金を解約して葬式代を出すのは、とても危険です。
「なぜ相続放棄をしなくてはならないのか?」という原点に戻ればわかると思いますが「マイナスもプラスも全ていらない」という意思表示なのです。
「プラスの一部を使っておいて、マイナスは要らない」という理論は通用しないのです。
ちなみに、長男のお金や、香典からの葬式費用捻出は、お咎めなしですのでご安心を・・・。
3.まだ受け取ってない年金を受け取っていいのか?
⇒YES
未支給年金の受領に関しては、相続放棄には影響しません。
亡くなった後に、役所から「未支給年金があるので受け取ってください」と連絡が来ることがあります。
亡くなった人に支給すべきだけど
国民年金法によって「一定の遺族が受け取れる」という規定があります。
相続によって遺族が引き継げる遺族固有の権利といえるので、一般的には大丈夫です。
とにかくわからないことだらけ
親がなくなった時、必ず誰しもが遭遇するのが相続です。
「相続税を納める範囲であるのかどうなのか?」
「どういう手続をしたらいいのか?」
わからないことだらけでしょう。
親が亡くなった後のことを、周到に準備している子どもはなかなかいません。
自分の亡くなった後のことを、子どもにちゃんと話している親も、今ではエンディングノートなどを使って伝えている人もいますが、まだまだ少数派です。
弁護士さんに相談しながら進めていくことも方法の1つです。