あなたの知っている地主さんが、この寒さに向かう冬に、亡くなりました。
「相続するものがあってうらやましいわ」
ところが、実情はそうではないのです。
「土地はあるけど、現金がない」
そういった相続は多いのです。
これは、相続財産の総額を見ればわかります。
全体が11兆
そのうち土地が5兆円
土地で「物納」しなくてはならないケースが多いのです。
物納をする財産は、どうやって評価されるのでしょうか?
物納の価額は、「相続税評価額」になっていて、「取引価額(時価)」に比べて一般的には安くなります。
例えば、「取引価額(時価)」1億円の土地であっても「相続税評価額」が7,000万円であれば、物納しても7,000万円の相続税を支払ったことになります。
損なことがわかります。
さらに物納には、いろいろな条件があるので要注意です。
土地は自分の代で売っておいたほうがいい理由5つ
そんな土地の相続、西郷隆盛の「児孫のために美田を買わず」に倣って、土地を現金化しておいたほうがいい理由が5つあります。↓
1.子供二人が簡単に公平に土地を分けることは難しい
持っている土地を半分に分ければいいと思うかも知れませんが、道路に面している面していないで土地を同じように分けることは不可能に近いのです。
上ものが乗っかっていればなおさらです。
2.子供たちには売れない、売りづらい
「この土地は、先祖代々に渡って受け継がれている土地ぞ。」
そうやって日々言われた続けた土地を売るのは、とても肩の荷が重い話です。
「近所の目があって売りづらい」
「親戚筋が何ていうかと思うと・・・」
自分の親だけでなく、ご近所さんや親戚もいろいろ口を挟みます。
ですので、顔色を伺う人も少なくはありません。
そうなると、自分の代では、そのままで知らん振りしたいた思うのが人情です。
そうして、売れないスパイラルにハマっていくのです。
3.そもそも先代の名義のままである
自分が親から引き継いだときに、名義変更をしていますか?
「え?何の話?」とおっしゃる方も多いのです。
不動産の名義を確認したことはありますか?
相続に関することは期限付きがほとんどですが、不動産登記に関しては期限がないのでついつい後回しにしてしまいがちなのです。
後回しにしても、やればいいのですが、やらないままうやむやにあることもよくあります。
ですので相続登記が未完了ということは、本当によくあるのです。
4.離れた田舎の土地は子供が欲しがらない
自分は、子供のためにと思ってとっておいて土地ですが、相続でもらっても売れないのに相続税ばかりがかかることも多いのです。
手続きに関しても遠くにある土地の手続きは、スムースに進みません。
遠方にある不動産を売るための業者があるくらいなのです。
あなたの思いと、子供の思いが、必ずしも一致するとは限りません。
5.共有名義にすると、どうにも動かせなくなる
とりあえず、事なかれ主義で物納するという方法もありますが、お勧めしません。
物納するためには、共有名義は不利です。
なぜか?
全員の同意がないと物納できません。
今の代だけで兄弟だけなら話し合いもできますが、その下の代になると、もう意思の疎通を取る以前に連絡を取ることが大変で、そのうち連絡の取れない人も出てくる始末です。
相続のことを考えるのは、気力も体力も必要です。
自分の代で整理しておくことが、後々の子供たち孫たちのためになるのです。
この記事を読んでいるときがはじめ時です。
相続に「早すぎる」はありません。
年末年始などやお盆など、家族の顔が思い浮かぶときに行動に移してみませんか?