更新日2015/07/31 この記事は約 3 分で読めます。

【相続トラブル実話】たった1080円の残高のためにどれだけ駆けずり回ったか~相続放棄のイロイロ

おとうさん

亡くなったお父さまの銀行残高を調べるにの八方手を尽くしたけど、結局「放棄します!」となってしまった残念だった例をお伝えします。

相続トラブル実話 八方手を尽くして、通帳に記帳された残高は?

通帳

1080円でした。

その経緯をご紹介します。

預金はあるのは知っているけど、通帳が見当たらない

普段の会話の中で、お父様名義の銀行口座があることは知っていました。
いくら実の親子でも「どこの銀行にいくらあるのか?」なんて普段は話をしません。
人の財布の中身を覗くようで、なかなか聞けません。

そんなお父様が、ある日突然、心不全で亡くなりました。
一緒に住んでいたお母様が昼食を一緒に食べた後、自分の部屋に戻ったお父様。
夕食が出来たと呼んでも出てこないのでおかしいと部屋に行った所、亡くなっていたそうです。

でも、通帳がどこにあるか分からないのです。
亡くなったご本人も周りの家族も、「心の準備」も「身の回りの準備」もできていなかったのです。
致し方ありません。

亡くなってからではわからない

死んでしまった

話には聞いていても、とにかく通帳の在処がわからないのです。

途方に暮れていてもしょうがないので、お父様宛の過去の手紙をひっくり返して見ました。

銀行名はわかったのですが

そうすると、手紙のやりとりから「A銀行に預金がある」と言うことが分かったのです。
「何とかなるだろう」と淡い期待を胸に抱いて、事情を話して問い合わせたところ
「支店名・口座番号まで分からないと、お教えできないのですが」と、取り付く島のない返事でした。

「本人は、亡くなったのです。細かいことが分からないのです。何とかなりませんか?」と食い下がったところ
「生まれたから亡くなるまでの戸籍謄本を取ってきてください」とのこと。
「どうして?」と食い下がったら、
「隠し子がいるかもしれない」とのこと。

しょうがなく、市役所で戸籍謄本を取るも、思わぬ展開がありました。

空襲で消失した部分があることも発覚

「これは、情状酌量してくれるだろう」と思いました。

そして、その旨を伝えると「市役所でその証明を取ってきて下さい」とのことでした。

一体、このご遺族は何回役所に行ったのでしょうか?
本当にお骨折りされたと思います。

結局、根負けして「もう放棄します!」とさじを投げてしまったそうです。

そんなことにならない為にはどうしたらいいのか?

話をしよう

普段から話をして「どこに通帳があるか?どこに銀行の口座なのか?」は確認しておくことが大事です。
お金の話だけではなく「どういうお葬式を出したいか?」「どんな人を葬式に呼んで欲しいか?」などの話まで出来ればベターです。
とはいえ、いきなりそんな話はお互いになかなか切り出しにくいものです。
テレビの話題や、近所の人が亡くなったなどの話から、自分のウチのケースに置き換えて話を広げていくことをおすすめします。

また、もしあなたが、子どもや奥様・旦那様に財産を残す側であれば、積極的に話をしてあげていただきたいです。