更新日2016/02/10 この記事は約 3 分で読めます。

相続税対策にはならない?二世帯住宅が相続に向かない5つの理由:相続トラブル事例

「二世帯住宅て、相続税対策になる」
「親が近くにいればお互いに安心だし」
いいえ、むしろ相続において、もめやすいのです。

どんな問題があるのか?「二世帯住宅(親の土地に建てた同居の家)でもめている」実例を見てみましょう。

二世帯住宅が相続に向かない5つの理由

え~!

その1:二世帯住宅を売って遺産分割を迫られる?!

両親が亡くなって他の兄弟姉妹の相続人からこんな話がありました。

弟夫婦「その二世帯住宅を売って遺産分割しよう」
兄夫婦「え?親の面倒見てきたのは、俺ら夫婦だよ」
弟夫婦「よく言うよ。生活費とかいろいろ援助をしたっておふくろが言ってたよ!恩着せがましく親の面倒っていうけど、親父もおふくろも、ぜんぜん優しくないってよく愚痴っていたよ!」

親の介護に長年尽くしてきたという『寄与分の主張』と
親からいろいろ援助してもらっただろう!という『特別受益の主張』が
よくぶつかります。

その2:親の財産の使い込みや遺産隠しを疑ってしまう

同居していれば親の財産管理も任されることも多いのです。住食を共にしていたら支払いも共になります。
いろいろな支払いなども曖昧になりがちです。

そんな状況が何十年も続いて、いざ相続が起こると・・・・

弟「親父の貯金がたったこれだけ・・・・?」
弟の嫁「母さんのお金管理していたのはお義姉さんよね?お母さんが入院しているときに自分で出し入れできるわけないし。もしかして母さんのお金内緒で使っていたんじゃない?」

同居の気苦労や介護の大変さを知らない別居の弟夫婦からそんなことを言い始めたら、まとまる話もまとまりません。

その3:売れない

二世帯同居を始める前には、もともと親が暮らしていたところに子供たちが同居を始める、つまり、建て直しというパターンが多いものです。
中古の二世他住宅を購入してというパターンは、不動産屋さんによるとほとんどなく、二世帯住宅を建てるところからスタートなのです。
玄関も2つ、お風呂も2つ、台所も2つ、といううちを探す人は少ないです。
売れたとしても土地+アルファの価格でしか売れないと覚悟しておきましょう。

その4:いわゆる嫁姑問題

離れて暮らしていれば優しくもできますが、同居では関係が近くなりすぎて本来他人である配偶者や義理の親への配慮ができなくなり、つい悪態をついてしまいがちです。
実の親でも、同じことが言えます。

同居とは、下記のことに寛容になれるか?によってうまくいかない

・子供の躾やライフスタイルに関しても干渉されること
・衰えた体力で昔出来た家事(買い物・掃除・洗濯)ができなくなる時期でイライラしやすくなる
・友達が徐々に亡くなってつきあいも減り、家ですごす時間が増える
・身体のあちこちも「痛い!しんどい!」と愚痴も出る

あなたは大丈夫ですか?

その5:離婚のリスク

今の時代は簡単に別れる時代です。
3組に一組の離婚割合の時代です。
離婚の原因も、夫の浮気だけではなく、妻の浮気というケースもある時代です。
住宅ローンは35年、親子リレーローンだと50年の住宅ローンになることもあります。

この問題を先に話し合いクリアできていればOK

よかった
親の介護のこと
相続のこと

この2点を親と他の兄弟姉妹ともきっちりと話し合い、覚悟を決めて同居・二世帯住宅に挑むならOKです。

よくよく考えてから決断しましょう。