更新日2016/05/10 この記事は約 3 分で読めます。

相続トラブル事例:不動産・実家を相続すると、トラブル勃発?!その理由と処方箋

不動産って、相続財産のどれくらいの割合を占めているのかご存知ですか?
なんと相続財産の54%が「不動産」なのです。
(2011年国税庁統計年報書)

そんな不動産、分けられないから、相続ではトラブルになる?!

「え?どうして?」
親の実家が相続の対象になったらじゃあ、あなたはどうしますか?
売却して現金化しますか?
実は「相続した実家をどのように分けるのか?」というのは、相続トラブルの中でも最も大きなものです。
ひとつしかない不動産をどのように複数の相続人をわけるか?
遺産分割協議で最ももめるポイントです。

相続問題の大半は、不動産トラブルです。

こまった
「うちの親の土地だって建物だって、小さいからトラブルになるようなものじゃないわ」

いえいえ違います、そんなことないんです。
小さい土地・建物でも持っていれば、もめてしまいます。
土地・建物が相続の対象だと、なんで揉めてしまうでしょう?
簡単には「分けられない」から不動産は問題の種になるのです。

「分けられない」不動産を「分ける」3つの方法

小さな土地付きマイホーム、住んでいたのは母一人、兄弟は2人、こうなると一軒の家をどのように分けるかで少なからず考える必要が出てきます。

1.共有分割

不動産を「共有」するという方法です。
誰に何を分けるかを話し合う「遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)」が難航すると
「共有」という話が出て、「共有」を選んでしまう人がいます。
「土地建物は兄弟平等に2分の1ずつ相続させる」なんて遺言に書いてあると「そういうものか」とその兄弟は「共有」してしまうのです。
しかしこれは単なる「問題の先送り」です。
それを知らないと、後々トラブルの火種になるのです。

何でトラブルの火種になるのでしょう?

例えば、弟が「土地を売りたい!」と思っても、共有している他の相続人、つまり兄の同意しなければ売れないのです。
さらに、兄がその土地・家に住んでいたりすると、もう大変です。
「売れらちゃ困る人」VS「売って現金化したい人」という構図が出来上がります。

共有されたまま、やがて相続人である兄弟がなくなると、その土地建物は配偶者や子供たちに相続されます。
そうなると、どうなるかわかりますか?
ネズミ算式に土地建物の所有権を持っている人は増えていきます。
最初は兄弟2人だったのが、その子供が2人ずつ=4人、その孫が・・・と考えると恐ろしいことになります。
「おじいちゃんのものだったから・・・」と孫が相続放棄してくれるとは限りません。
どうにも処分の方法が決まらなくて固定資産税だけ払っている財産になってしまうことが多いのです。
どんなに仲がいい家族でも「共有」はNGです!!
仲がいいのであれば、なおさら「共有」でなく他の道を模索する話し合いをするべきです。

代償分割

不動産と同じくらいのお金があればでいる方法です。
どういうことか?
例えば、相続人が二人、兄弟がいたとしましょう。
兄が2000万円分の土地建物が相続するものとしてあるとすれば、兄は1000万円を現金で弟に分配するのです。
法的にはすっきりしますが、なかなかこんなまとまったお金ある人が少ないので、実際に行うのが難しいのです。

なので、現実には「代償分割」も簡単にはいきません。

策としては、生命保険を活用して資金を用意しておくのがいいのです。
でも、ここまで備えをしている人はまだまだ少数派です。

換価分割

売却
不動産を売ってそのお金を半分に方法です。
一番わかりやすい方法です。
しかし、すでに家に住んでいる人などが反対することが多く、もめることもあります。
デメリットとして、相続税の申告期限である10か月の間に売りいそぐと、足元をを見られて土地が買いたたかれ、結局本来の額で売れないこともあります。
相続した土地が、農地や山林、ましてや他人に貸している土地だと、おいそれとは売れません。
店舗・工場なども売ってしまうとそもそもの生計が成り立っていきません。

不動産を相続するあなたへ

お父さんがなくなってから、つまり相続が開始されてから、不動産を処分するのは決して簡単ではありません。
前もって事前に不要な不動産を売却するなどして、相続について手を打っておくことが必要です。