「もう、自分も兄弟も田舎の家に戻ることはないし。」
離れて暮らす親の住む実家を、親たちが亡くなった後どうするか?
都会に実家がある場合でも同じく、ありがたいけど悩ましい問題です。
あなたが住宅ローンを組んで家を買った場合、そこから引っ越して親の住んでいたうちに暮らすのは、物理的に大変なだけでなく、それまでに積み上げた地域コミュニティ、すなわち近所づきあいを捨てていくことになるのです。
そう考えると、親の住んでいたところに引っ越すのは現実問題、なかなか難しいですね。
そうなると親の所有していた家をどうするか?
下記の2つの方法の選択を迫られます。
売る、貸すのそれぞれにメリットデメリットについて考えてみます。
親から相続した不動産を簡単に売れない、貸すという方法もある
貸す場合
メリット
●家賃収入を得ることができる
●「修繕、リフォームとも借主の自由(負担)」という条件で貸し出せば、借りる側は自分の好きにリフォームできる→最近はやっている方法です
デメリット
●お金をかけてリフォームをしても、希望通りの金額で貸せるとは限らない
●現在の法律では、一度貸してしまうと、貸主の事情で退去してもらうことは簡単ではない
●修繕義務、固定資産税の支払いがある
●子どもたちの代の相続のときに、揉める原因になる
●兄弟がいる場合、その按分方法と管理をどうするかを話しあわなくてはならない
親から相続した不動産を売りたい
売る場合
「誰も住まないんだから、売るのが一番いい」
そう思っている人は多いのでは?
どんなメリットでメリットがあるのか?見てみましょう。
メリット
●一時的に収入になる
デメリット
●不動産の名義人を「あなた」にする相続の「名義変更登記」が必要
●「売れる物件であるか」ということの確認が必要
こんなケースも、よくあります
素人には思いも浮かばないような問題が浮上することもあります。
どんなことか?
こんな理由ですぐに売ったり貸したりできないケースがあります
ケース1 不動産が親の名義じゃない?!
田舎の不動産は、相続の「名義変更登記」をしていないことがよくあるのです。
どういうことか、わかりますか?
「親の名義」になっていないケースがあるということです。
つまり、親が相続したときに名義を書き換えていないことがある場合も、実は多いのです。
実家の母屋、敷地は親の名義かもしれませんが、少し離れた田畑、山林、私道、墓地など親が名義変更を漏らしている土地のあるケースもあり、これを探すのは至難の業なのです。登記の名義が現在の所有者、つまり親になっているか親が生きているうちに確認しておきましょう。
土地の場所を聞いておくことは非常に大事です。
隣地との境界があいまい
田舎の土地は、測量や境界が曖昧なまま売買されることもあります。
買主が、住宅ローンを組む場合などには、金融機関がこれらの確認を求めることがあります。
測量には多額の費用がかかりますので、そのつもりでいなくてはいけません。
古い抵当権が残っていた!
登記事項証明書(登記簿謄本)に、古い抵当権等の権利が残っているケースもあります。
親の不動産、どうやって下調べをしたらいいのか?
「どうやって確認したらいいかわからない」
「名義変更がされていなかった」
もちろん、自分で調べることもできます。
ですが、ホームページを見ただけで、素人的にはもうお手上げです。
登記・供託オンライン申請システム
こんな場合、専門的なことは「司法書士」や、売却を依頼する「不動産業者」に依頼した方が安心です。
親のうちをそのまま放置しているであろう空き家が2013年10月時点で全国に820万戸、全住戸の一割強という驚くべき数字です。
そのうちのひとつにならないよう、できる下調べはしておきましょう。
[amazonjs asin=”4817844000″ locale=”JP” title=”相続手続が簡単に 法定相続情報証明制度の利用の仕方”]
[amazonjs asin=”4816362916″ locale=”JP” title=”図解 いちばん親切な相続税の本17-18年版”]