延納ってきいたことありますか?
「単語は聞いたことあっても、実際どうするかまで知らないわ」
実際しないほうがいいのですが、いざしなくてはならない!(かも)という場面に出くわした時のために、延納のイロハを知っておきましょう。
相続税の延納のしくみ
相続税の申告と納税は、相続人が被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行なうことになっています。
親が多く持っていた預金や、評価額が高かった土地や建物、有価証券などの関係で、思ってもいなかった相続税を払うケースがあります。
急な被相続人の死亡の場合、準備を全くしていなく相続税対策をしていなかった場合は、大変な額の相続税を払わなくてはならないケースも出てきます。
相続税が払いきれない額に膨れ上がり、期限内で相続税を支払うことが不可能な場合に「延納」という手段があります。
名前の通り、納めるのを延ばすことができます。
延納の条件
「相続税を払うのを遅らせるために、延納を使おう」といっても、どんなケースでも使えるわけでなく、条件があります。
今現在、現金の納税が不可能であること
現金がいっぱいあるのに、延納することは認められていません。
現金の納税がのみ延納は認められます。
納税額が10万円を超えていること
少ない金額なら優先して相続税の支払いをしなければなりません。
納税は国民の義務です。
担保を提供できること
保険として土地などの担保が必要となります。
申告期限までに「延納申告書」を提出すること
これは誰でもできますが、案外、スカッと忘れてしまう方も多いです。
しっかりと期限内に手を打ちましょう。
延納できる期間は?
原則として5年以内となっています。
ただし、相続税の支払いを大きくする不動産の割合によっては、期限を20年まで引き延ばすことができます。
税率は?
不動産の割合や動産との違いによって、税率が年2.1%から6%まで変わります。
延納によるメリット、デメリット
メリット一気にお金を払う必要がなくなり年賦にて支払いができることです。
デメリット利子税を余分に払わなければなりません。
この利子税は相続財産に占める不動産等の割合によって、5年から最高で20年までの期間猶予があります。
延納の限度額ってどうやって決めるの?
金銭納付が不可能な場合の手続きとしては、まず金銭納付を困難とする「理由書」の提出が必要です。
その後に、現金で納付可能額の試算をしますが、納税者の生活費を考慮して計算されます。
その計算額は、申請者の生活費は年間で120万円、配偶者やその他の親族は人数×4万5千円と
前年の所得税や地方税、社会保険料や多少の生活費に加味する金額を盛り込んで計算されます。
この基準があるので、延納で相続税の支払いを拒むことができなくなります。
また、基準が明確になったことで、かなり生活が苦しくないと延納許可が下りないこともあります。
延納ってお得なの?⇒NO
相続税の支払いを遅らせれば遅らせるほど、利子がつくので、余分に税金を払わなければなりません。
もったいない話です。
生前に、贈与や資産の転換などで相続税額を減らす手段は沢山あります。
あなたが生きている内に手を打つことで、解決することが多いのです。
また、延納になっても計画的に税金を分割して払っていけば何の問題もありません。