「株式会社」というのは、設立時に株式を発行することで成立します。
設立時に出資した人を「発起人」。
会社設立後は「株主」と呼びます。
第三者に事業を譲渡したい
後継者に事業を譲りたい
こういう場合の手続きについてまとめました。
株式を譲渡する時のポイント
手続きの流れ
株式を譲渡することが決まったら、会社に譲渡承認を請求して、承認機関で承認をもらう、という流れになります。
注意点
株主が親族などの少人数の場合、株主総会はしないで、株主総会議事録などの書類を作っておけばいいと考える会社が多くなっています。
しかし、それで通用するのは、関係が良好な場合に限ってのことです。
後に、トラブルで不仲になったり、相続で揉めたりすると、手続きは無効になるケースがあるんです。
ですから、後々のことを考えれば、面倒臭くても法令で定められた手続きを行って下さい。
株主名簿書き換え
現在での中小企業では、株券を発行していないのがほとんどです。
その代わりに、株主名簿に株式として記載しなけれななりません。
株式譲渡とは当事者間、つまり本人たちの意思決定だけで、株式譲渡の効力が持てます。
当事者間の手続きで完了したとしても、株主名簿の名義を書き換えなければ、株主としての地位を名乗れません。
税金
個人間で株式を売買したら、譲渡した人に売却益の20%(国税15%、地方税5%)の譲渡所得税がかかります。
売却益とは、売却した代金から、株式を取得する時にかかった費用。
譲渡の時にかかった費用を差し引いた金額のことを言います。
それに対して、株主を譲渡する個人には、原則時価で売買されるので、基本的に税金はかかりません。
[amazonjs asin=”4817842318″ locale=”JP” title=”中小企業における株式管理の実務―事業承継・株主整理・資本政策 中小企業の株式を戦略的にマネジメントする!”]
親の株を子どもに移す時
優良な非上場会社の株式評価額は、思っている以上に高額になっていることがあります。
その分、相続税が高いことが予想されます。
生前に対策を行うことで、財産をより多く残すことが出来ます。
生前贈与
贈与税が課せられる(税率10~50%)
メリット・・・後継者は贈与税の資金調達だけで済む
デメリット・・・特別受益として遺留分減殺請求の対象となる
親子間売買
譲渡所得税、住民税が課せられる(原則税率20%)
メリット・・・適正な価格の売買なら、遺留分減殺請求の対象にならない
デメリット・・・後継者は株式の購入資金を調達しなければならない
相続
相続税が課せられる(税率10~50%)
メリット・・・遺産総額が相続税の基礎控除額以下であれば、税負担なく取得できる
デメリット・・・遺言書がなければ、株主総会の運営に支障が出る
また、直前期の業績が良かった場合は、株価が高い金額で計算されて、相続税の負担が重くなります。
まとめ
基本的に株式譲渡と手続きは、法務局の申請が要らないからこそ、慎重に間違えないように手続きを行わなくてはなりません。
「株式譲渡」とは、「株式会社のオーナーになる」という、重要人ポストに変動が生まれること。
後々、トラブルを招く恐れがあるので、失敗は許されない手続きとなります。