老人ホームと税金とは、一見、結びつきがないように思えますが、老人ホームに入居しているか、していないかで、税金の扱いが違ってきます。
どんな時に税金がかかって、どんな時に控除が受けられるのでしょうか?
老人ホームの種類
老人ホームを最後の家とするのか。
リハビリを行うだけで、いずれは家に帰ることを目指しているのか。
どちらかによっても、税金が異なります。
施設に入る時の控除
医療費控除
介護施設では医療ケアやリハビリを必要とする高齢者が、入居、入院する施設のために、居住費を医療費控除で計算することが出来ます。
医療控除の対象
・指定地域密着型介護老人福祉施設
の場合は、介護費、食費、居住費の1/2が医療控除の対象に。
・指定介護療養型医療施設
の場合は、介護費、食費、居住費の全額が医療控除の対象になります。
扶養控除
親を扶養家族として所得税額から扶養控除している方は、親と同居しているか、否かによって、控除額の上限が変わってきます。
納税者又はその配偶者と同居していると、58万円を上限として、扶養家族控除が受けられるようになっています。
老人ホームに入居した場合は48万円が上限として認められています。
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相続が発生したら
小規模宅地の減額特例
小規模宅地の減額特例とは、被相続人が事業用、居住用として使用していた土地を、配偶者や同居している子どもが相続する場合には、相続税を減額出来る制度となります。
老人ホームに入っていて認められる要件
以下のいずれかの施設に入っていた場合、小規模宅地の減額特例が受けられます。
・養護老人ホーム
・障害者支援施設
・軽費老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・サービス付高齢者向け住宅
・認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居
入居一時金
介護施設に入居した時に、初期費用として入居一時金を払っている場合、償却の期間内なら、返還金請求出来てお金が返ってきます。
入居した人が一時金を払っていれば、相続税の対象になります。
一方、相続人が一時金を払っていれば、過度に高額ではない限り、課税の対象にはなりません。
過度に高額とは?
入居一時金は無料から数億円までと、実に幅広いです。
親子の間で日常的に必要と認められる範囲内での金銭のやり取りでは、税金はかかりません。
ただ、範囲内を超えると、相続人から入居者への贈与税の対象となってしまうのです。
また、入居一時金は、子どもが親の費用を負担していた場合に、先に子どもが亡くなってしまったら、相続税の対象となります。
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まとめ
色々な事情で老人ホームや介護施設に入居しする場合は、医療控除の対象にもなり、以前に比べると、老人ホームに入ることに抵抗がなくなってきています。
料金が安い老人ホームもたくさん建てられていて、老人ホームの概念が変わるような画期的なところも増えています。
これから、老人ホームへの入居を考えている方に、より快適に過ごしていただくために、早めに相続についても考えていきましょう。