更新日2017/06/30 この記事は約 4 分で読めます。

【負債も相続する?!】会社社長の父親が残したややこしい相続問題!長男VS次男

相続税

親が亡くなって相続が発生した時、親が事業を営んでいて、その会社に負債があったら、相続人は会社の負債まで相続しなければならないのか?

それは、会社名義、親名義によって、対応策が違ってきます。

例を挙げてご説明していきます。

社長の父が他界した一例

父は事業を営んでいます。

長男も跡継ぎとして、父の会社を手伝っています。

母はすでに他界。

次男は実家からは離れて暮らし、父の事業に関しては一切関知していません。

父が亡くなりました。

それに伴い、長男と相続について話し合いました。

父は、個人名義の預貯金や不動産をいくつか持っていました。

また、会社名義の預貯金や不動産もいくつか持っていました。

ですが、事業用資金として、金融機関から会社名義で多額の借金をしていました。

長男の主張

自分が会社の負債についても引き継ぐから、財産は全て自分が相続する。

次男が相続の権利を主張するなら、当然、負債に関しても引き継ぐことになるので、半分の支払いをお願いしたい。

次男の主張

自分は普通のサラリーマンで、家族もいる。

とても、何千万もの負債を返済出来るわけがない。

相続税

財産の整理

そもそも、会社名義の借り入れは、父親の遺産相続に含まれるのでしょうか?

相続財産は、借金などのマイナス財産も含まれています。

父親が会社を経営してたとのこと。

それは、株式会社、有限会社などが、事業用資金として、借り入れしていた場合は会社名義になっていることが多いです。

そうなると、返済義務を負うのは「会社」となります。

これは、会社のマイナス財産であって、父親の遺産相続には含まれないのです。

会社名義の財産と、父親個人の財産は区別して考える必要があります。

[amazonjs asin=”4860636643″ locale=”JP” title=”らくらく株式会社設立&経営のすべてがわかる本”]

保証人

借り入れの名義人が会社になっていても、会社社長が連帯保証人や保証人になっているパターンが多いです。

ですから、連帯保証人や保証人は誰であるのか、まず確認しましょう。

この場合、父親がなっていたら、保証人としての相続財産となります。

保証人であればどうすればいいの?

先ほどの例を挙げて見て行くと、主な債務の名義は会社。

長男が会社を引き継ぐのであれば、返済の義務は会社にあると考えられます。

その場合の次男は会社を引く継ぐわけではないので、次男は返済義務はありません。

あくまで父親は保証人であり、亡くなった後も、会社として返済を続けていけばいい話しです。

会社が返済できなくなったら

会社が返済できなくなったら、債務者は当然保証人に対して返済を求めてきます。

亡くなった父親が連帯保証人か?

それとも保証人か?

この二つのどちらかによって、残った債務に対する責任の割合が違ってきます。

相続について検討

相続税

この財産は、会社名義の財産であるか。

父親個人の財産であるか。

これは相続において別物だと思って下さい。

会社に関係する財産で、

父親の会社が株式会社 ⇒ 自社の株式
父親の会社が有限会社 ⇒ 出資持分

が財産となります。

これは、遺産分割に含まれます。

会社名義の借り入れについての保証人についても、相続の対象となります。

ですから大事なのは、父親の財産だけでなく、会社の経営状況や財産と一緒に負債についても、確認しておくことです。

[amazonjs asin=”4847060466″ locale=”JP” title=”「 連帯保証人 」 ハンコ押したらすごかった、でもあきらめるのはまだ早い! (ワニブックスPLUS新書)”]

次男の追う責任

父の遺産総額が5000万円。

父の会社の負債が3000万円とします。

規定どうりに相続した場合、次男は2500万円相続したということになりますよね。

ですが、債権者から保証債務の履行を求められたら、3000万円の債務責任を負うことになります。

2500万円ものお金が入ってきても、それを上回る金額を支払うことになるなら、もらわないほうがいいと思いませんか?

相続放棄

あまりにも莫大な債務であって、自分の相続分より支払う債務が多いなら、相続放棄をする方法があります。

ですが、父親が主な債務者で、相続人が保証人だったら、いくら相続放棄をしていても、保証人であることは変わりません。

まとめ

父親の事業を継ぐには、相続の手続きがちょっとややこしいですね。

長男と次男とでは、平等に遺産相続するのがいいのか、相続放棄をした方がいいのか。

まずは、財産の整理を始めることからです。

子どもに負債を背負わせないためにも、生前対策は必要です。