更新日2017/06/30 この記事は約 3 分で読めます。

連帯保証人まで相続しないようにするにはどうしたらいい?

そうは言われても

銀行からお金を借りて商売をすると、経営者は連帯保証を求められます。
零細企業の場合、お父さんが経営者、つまり社長ということが多いです。
「うちのお父さんは大丈夫!」
そう思いたい気持ちもとてもわかります。

でも、借金の返済が滞っているなどの話、格好が悪くて案外身内にはしないものです。
特に、社長であるお父さん一人が、会社のお金をすべて管理している場合は要注意です。

個人保証=連帯保証していない?お父さん社長のキケンな立ち位置

すっからかん
借金の返済が滞ると、「契約不履行」で連帯保証人である社長個人が返済義務を負うことになります。
「会社が返せないんだったら、連帯保証人である社長個人の財産から返済してね」ということです。
銀行は冷淡です。
取れるところからとっていきます。

個人の返済義務も、相続の財産のうち?!

「でも、相続のとき、債務控除をしてくれるって話を聞いたことがある」
残念ながら、中小企業の社長が連帯保証人になっているものに関して、債務控除してくれません。
連帯保証人が、会社の借金を返すか返さないか決まっていないうちは、債務として扱ってもらえません。
会社が返せるのか?それとも返せないのか?というところがハッキリしないうちには、債務とするかしないかも決められないのも頷けますよね。

こんな技もある!債務を引きつがなくてよくする3つの方法

社長個人を連帯保証からはずす

2014年から、社長個人の連帯保証を分けるために交渉できる「経営者保障に関するガイドライン」ができました。
そんな思いやりのある手段が取れるのは、世界でも珍しいとのことです。

しかし、それなりの手間がかかります。

1.法人と社長をしっかりわける
2.財務基盤をしっかりする
3.経営を明瞭化する

お父さん一人でやってきた経理だと、ここを明瞭かするのも一仕事です。

銀行と交渉

銀行
「債務をあと継ぎが返します」という状態に変更することをお願いする「保障契約の変更」という手段もあります。
誰かがあとを継がないと、この手法は使えません。

ただし、回復の見込みのない、あるいは資産のない会社だと、なかなか銀行は「うん」とは言わないようです。

最終手段 相続放棄

債務も、プラスの財産もすべて放棄するのが「相続放棄」です。
保険に入ったり、信託を使うことで、全くすべてを放棄しなくてもいいケースも想定されます。
どうやったらいいか?は、専門家の知恵を借りることをお勧めします。

どんな作戦がいいのか?専門家とタッグを組んで相談しましょう

債務を知らないで相続してしまうと、最悪「自己破産」に追い込まれるパターンもあります。

いろいろな「戦略」がある場合、どれが有利か?ということは素人には到底判断がつきません。
「戦略」は「戦いを略す」と書きますね。こんなときこそ専門家の出番です。

ちなみに、相続は得意な税理士さんとそうでない税理士さんがいるので、よくよく見極めて。
専門家の中のさらに専門家に頼むのが一番の近道かもしれません。
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