生前贈与にも色々なものがあります。
贈与というと、どうしても「子どもや孫に・・」と思ってしまいますが、ちょっと待って下さい。
あなたの結婚生活を支えてくれたのは、誰ですか?
そうです、大事な相方、奥様や旦那さま=配偶者を忘れてはいけません。
配偶者への贈与ならではの「特権」があります
他の生前贈与は、亡くなった日から3年さかのぼって、一旦は相続財産とされますが、
この配偶者贈与は、亡くなる直前でも生前贈与として扱われ、非課税なのです。
夫婦間贈与(配偶者贈与)って?
夫婦だからって、遺産を狙って年老いた男性に近づいた若い女の子や、老いらくの恋の末に結ばれたカップルには使えません。
なぜなら、下記のような条件があるからです。
- 結婚して20年以上
- 自分が住むための国内の不動産であること
- 国内の住むための不動産を買うお金であること
- 贈与した翌年の3月15日時点で、贈与したor不動産を買うために贈与されたお金で買った不動産に住んでいて、その後も引き続き住む予定であること
長く添い遂げた夫婦だからこそ使える「特権」なのです。
ちなみに、一生に一度しか使えません。
配偶者控除の対象となる居住用不動産の条件・範囲
不動産に関して、どこのどんな物件でもいいのではありません。制限があります。
2.家屋だけ、土地だけと別々でもOKです。一括贈与の必要はありません。
※ この場合、どちらかである必要があります。
(A) 配偶者が住むための家屋を所有していること
(B) 配偶者と同居する親族が住むための家屋を所有していること
※ 敷地の贈与の場合、敷地の一部だけの贈与もできます
※ 借地権の場合、お金の贈与を受けて、地主から底地を買うことも可能
必要な書類
配偶者控除を受けるには、以下の書類を揃えて、贈与税の申告をする必要があります。
- 贈与を受けた日から、10日目以後に作成された戸籍謄本又は抄本
- 贈与を受けた日から、10日目以後に作成された戸籍の附票の写し
- 登記事項証明証
- 今住んでいる住所の住民票の写し
戸籍の附票の住所が住んでいる住所の場合、住民票の写しはいりません。
金額は?
2000万円までです。
暦年贈与と併せると、2110万円になります。
相方への最後の愛情です
前述したように、亡くなる直前の贈与でも、生前贈与と見なされる贈与なのです。
なぜ、これだけが例外なのかと言うと、残された相方が今まであなたと住んできたおウチを追い出されてないように、「住むところだけは確保する」ための贈与なのです。
住むところは保証する。
子どもや孫に余計な口を挟ませないための、意思表示でもあります。
実際、この配偶者贈与は、入院中のベッドサイドで行われるケースもあるようです。
もう余命幾ばくもないと思った時に、ちょっとでもこの事が頭の隅にあれば、
照れくさかった相方への「ありがとう」、最期の愛の表現になることでしょう。
ぜひ、覚えておいてください。