更新日2015/07/31 この記事は約 3 分で読めます。

「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」って何?

何の話??

「相続放棄」という単語は聞いたことあるかもしれませんが、「代襲相続」ってあまり聞き慣れない単語ではないでしょうか?

代襲相続の「襲」は、歌舞伎の役者さんや落語家さんなどがする「襲名披露」の「襲」です。
「代襲相続」とは、「代わりに受け取る」という意味です。

そもそも、代襲(だいしゅう)相続とは?

簡単に言うと「たまたま親が先に死んでしまったために、本来相続できる権利がある人が相続できなかった場合、それに代わる人を法律で救済しよう」と言うシステムです。

「回りまわって貰えるはずの財産が、貰えないのは不憫だ」
「先に亡くなっている子どもに代わって、孫が受け取れる」
「孫に相続権が移管する」

どれかピンとくる文言はあったでしょうか?

では、いろいろなケースの代襲相続について考えてみましょう。

今回の話はとてもわかりづらいので下記設定にします。

登場人物:「お父さん」「その息子」「その孫」

ケース1:借金があった「お父さん」の遺産を、「その息子」は放棄しました。「その孫」は、代襲相続しなくてはいけないのでしょうか?

そうか!

⇒しなくて大丈夫です
「その息子」が「相続放棄」することによって、「その孫」に「代襲相続」が生じることはありません。

現実問題、その3人だけという構成とは限りません。
下記のようなパターンではどうなるのでしょう?

「その息子」が1人の場合

亡くなった人の父母、「お父さん」の兄弟姉妹が相続人となります。

「その息子」に兄さんがいる場合

2人いる息子のうちの1人が相続放棄すれば、相続人は兄さん1人のみとなります。

「お父さん」の兄弟姉妹みんなが相続放棄した場合

「お父さん」のおい、めいがいても、その子が「代襲相続」して相続人にはなることはありません。
(ちょっと安心しますね)

「お父さん」の兄弟の1人が相続放棄をすれば、他の兄弟姉妹が相続人となります。
「お父さん」の兄弟姉妹全員が相続放棄をした場合、相続人がいない『相続人不存在』状態となります。

次のケースは、登場人物の呼び方を変えます。

登場人物:「おじいさん」「息子」「孫」

パターン2:借金があった「息子」が亡くなり、「相続放棄」を「孫」はしています。
後から「おじいさん」が亡くなった場合、「孫」は「おじいさん」の「代襲相続」できるのか?

よかった

⇒できます。

「回りまわってもらえるはずの財産が、もらえないのは不憫だ」なので、おじいさんの遺産を孫は相続できるのです。

民法でも規定されています。

民法第887条 被相続人の子は、相続人となる。

2  被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定(相続人の欠格事由)に該当し、
若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。
ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
3  前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定(相続人の欠格事由)に該当し、
若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。

「代襲相続」は、とにかくややこしてくて、頭がこんがらがってしまいます。

わからないや

「代襲相続」は本当にわかりづらいのです。

でも、現実問題として、相続の現場では結構頻繁に出てきます。
且つ、トラブルの火種になることが多いのもこのケースです。

素人では予想しきれない事態が起こります。
専門家に相談するに値するケースですので、まずはご相談を。